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対戦ゲームに向き合った話を聞いてくれリターンズ - 「格ゲーは才能」かもしれないが少なくとも凡人にはなれる

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フランスパンのゲームすき…

 格ゲーができるようになったからちょっと自慢話を聞いてよ。

 前回の記事から1年が経ちました。思ったより反響があり……というか、「格ゲー 才能」でググるとあのページが出てきてしまうらしく。内容としてはただの自分語りだったのですごく恥ずかしくて記事を消そうかと思ったのですが、あれはあれで「励まされた」「自戒になった」という感想もいただけていたようです。
 なので消す代わりに、才能という部分にフォーカスしつつあれからの1年……というよりはここ2ヶ月くらいの話をしてもう少し掘り下げた自分語りをします。
 上手く言語化ができませんので本当に支離滅裂な話になりますが、どれだけ努力を重ねても対戦ゲームだけが上手くならないという人たちの一助になればと思います。

「○○は才能」について 

 インターネットではよく聞く言葉です。僕のように出来の悪い人種であれば殊更にそうでしょう。出来ないゆえに藁をも掴む思いで検索しては、「○○は才能」論に心を折られた経験がお有りでしょう。
 インターネットに書いてあることなんか本気にするな……とはいえ、たとえ便所の落書きであろうとそれは先達が苦労の末に見つけた結論でもあります。
 まずするべきは、この「才能」という言葉を自分の中でしっかりと定義することです。検索してみましょう。

さい‐のう【才能】  物事を巧みになしうる生まれつきの能力。才知の働き。「音楽の才能に恵まれる」「才能を伸ばす」「豊かな才能がある」「才能教育」  コトバンクより - https://kotobank.jp/word/%E6%89%8D%E8%83%BD-508270

 まあだいたいみなさんが想像した通りの印象ではないでしょうか。生まれついて持っている(後天的には手に入らない)能力という感じですね。さてしかし、みなさんが探している「才能」という言葉は、ここまで極端なものを指しているのでしょうか? せいぜいが得手不得手、上手くなれるかなれないか、程度のものではないかと思います。
 つまるところ、僕たちのような人間が求める答えは才能の有無ではないのです。屁理屈ですが。もしも「格ゲーは才能」であり、才能が天賦と同義であるのならば、ランクマであなたを負かして煽り散らかした野郎どもはどいつもこいつも天から授かり物を得ていることになります。そんなまさか。
 あなたが格ゲーをできるようになるのに、才能なんて大仰なものは必要ないのです。インターネットの「○○は才能」は、だいたい極端な言い方をしているだけと思ってください。
 これについて、僕にはちょっとした持論があります。前回の記事の表現をそのまま使うと、「才能が問われるのはずっと上の世界の人間だけで、私達が一般に才能と表現する程度のものは後から努力で身につけられる素質だとか素養だとかいうべきもので、要は素質のある人とない人はスタート地点が違うだけ」というものです。
 例えば、小さな頃に毎日外を走り回って遊んでいた子と、本を読んで過ごしてきた子がかけっこをしたらどちらが速いかは想像に難くないでしょう。あくまでものの例えではありますが。
 つまり相手に何らかの才能があると感じるのは、単にその人がこれまでに積み上げてきたものが見えてないだけではないか、ということです。

おれは「対戦ゲームをする」という機能を持たずに育った

 しかし言葉遊びをしたところで、我々は事実としてどれだけ練習しても格闘ゲームが上手くなりません。
 格闘ゲームが苦手なみなさん、アクションゲームは得意でしょうか。僕は人並みに得意です。けれども、対戦ゲームだけは全くと言っていいほどできませんでした。
 こういう人はきっと僕だけではないだろうと思います。アクションゲームと対戦格闘ゲームで、一体何がそんなにも違うというのでしょうか。 

 大きな部分では、「相手が人間である」ということが挙げられます。
 NPCを相手にするアクションゲーム(以下ACT)ならばいいのです。敵には決まった特徴や弱点が設定されており、決まった条件で攻撃を行います。試行錯誤をしながらパターンを構築し、攻略法を探し出す……それは言ってしまえば、”製作者との対話”です。ACTにはそういう楽しさがあると思います。
 では格ゲーではどうでしょう。相手が使用するキャラクターにはやはり決まった特徴や弱点が設定されており、ある程度最適化された立ち回りにより状況に対応した攻撃を行います。自然、試行錯誤をすることで攻めや守りの方策を探ることになるでしょう。
 こうして見てみると、ゲーム的なレイヤーでは大きな違いは感じません。ただ、ACTは製作者との対話であるのに対し、格闘ゲームは”プレイヤーとの対話”であるだけなのです。
 ただそれだけで、必要な素養が大きく変わると思います。
 ACTならば「攻略法」を探り出し実行すればそこまでで、先には報酬が待っています。しかし格ゲーならば、対戦相手も同じようにこちらを攻略してきます。勝利という最終的な報酬を得るその瞬間まで対話はほぼ間断なく続きます。
 相手が人間である以上、最適ではないこと、理屈に合わないと感じる行動もしてくるでしょう。逆に、最適と思われる行動を取ったところで相手になんの影響も及ぼさないこともあります。あなたの行動に対する報酬は保証されません。
 間に介している媒体がなんであれ、人と人が行う以上それはコミュニケーションになり得ます。極論、対戦ゲームとは一種のコミュニケーションなのです。そういう例えをすれば、イメージもしやすいかと思います。これは、できる人とできない人がいます。

 僕はできない側の人間でした。それは天から対人能力を授からなかった、ということではなく。僕が人の心理を読み取りそれを高速で処理するという能力を鍛えてこなかったからです。
 もちろん、相手と言葉で、表情でやりとりができるならあまり支障はないでしょう。しかし表情や言葉を受け取れず、ただ画面の中に写っているだけのプログラム制御された秒間60フレームのキャラクターの描画から、相手の心理を完璧に読み取る自信がみなさんにはあるでしょうか?
 できるにせよできないにせよそれは大抵の場合、単なる程度問題でしょう。しかし僕の「できなさ」は相当なものでした。指を持たずに生まれてきた人間がピアノを弾きたいと思えば、ほぼ間違いなく困難を味わう羽目になるでしょう。それと同じで、僕はまず指を生やす必要がありました。

にんげんっていいな

 結論から言って、それに大体10年ほどかかっています。「上手くなろうと思って練習して、実際にほんの少し上達する」という土台の部分を構築するのに、それだけの時間を使いました。こと格ゲーに関しては、ここ1~2年でそれこそ人並み以上の努力をしましたが、効果は出ませんでした。
 前回の記事を投稿した際に頂いた反応の中に、「そこまで考えられて記事にできるなら悲観的に考える必要は無いのではないか」というものがありました。概ねその通りです。問題点を言語化し自分の中に落とし込めるなら、普通であれば改善は容易と言えます。これはもう、ちょっとした自慢でもあるのですが、僕はそういった面で普通ではありませんでした。
 身の丈に合う合わないを問わず、目についた情報の中で吸収できそうなものがあればなんでも取り入れようとしましたし、意味が理解できずとも上級者のしている行動を模倣することも試してきました。その全てが、全く効果を挙げなかったと言って過言でないでしょう。
 コンボやセットプレイならば問題なく習得できます。それはACTや音ゲーSTGと同じことだから。つまるところ、僕は「対話」の部分が徹底的にダメでした。対話を行う機能を持っていることを前提に書かれた初心者向け情報なんて、その時の僕には意味が無かった。
 まあ、こういう言い方をすると確かに悲観が過ぎると思うのだけども。上達する理屈は掴めているのに、初心者に向けられた先人の知恵を知っているのに、努力が一切身にならない……なんてことがずっと続くと、人は自分を疑ってしまうものです。おれは健常な脳機能を持った人間ではないのかもしれないとすら感じました。
 元よりどうしようもないバカなので、今でも多少疑ってはいますが。
 はやくにんげんになりたい。どうせやるのなら、自分が自分に納得できる程度には成果を出したい。けれど当然、素養を持たない僕にはそれは叶いません。

 そんな10年の停滞が目に見えて変わったのは、ほんの2ヶ月ほど前です。

コツは人の醜さを信じて、細かいことを考えないこと

 何か特別なきっかけがあったわけではありません。ただぼんやりと、「自分には攻撃性が足りないのではないか」と考え出した時期が過去にありました。
 歯に衣着せず言ってしまえば、一部の格ゲーマーに見られる少し陰湿な意地の悪さ。プロレスめいたマウントの取り合い。コミュニティでの語気の強さ。気心の知れた間柄のみで行われるわけでもないようでした。
 こういう部分を模倣しようとしたことは無かったなと、ふと思ったのです。
 ただ最初はやり方を間違えました。とにかく何かにキレ散らかせば変わるものがあるだろうと思い、負ける度にものに当たってみたり、自分の頬を叩いてみたりしていたのです。かなり頭のおかしい感じですが、ぶっちゃけこれは効果がありました。
 しかし頭の冷静な部分では自傷行為をする間抜けな男を俯瞰している自分がいてかなり情けなかったのと、「こんなことしてまで上手くなりたくねえな」というプライドもあり、さっさとやめています。ちょうど前回の記事を投稿したくらいの時期ですね。つまり……一時的にとはいえスマブラでVIP入りできる程度の効果が挙がっていたわけで。
 これは重要なヒントになるだろうと感じながらも、どっと疲れてしばらく対戦ゲームからは距離を置いていました。 

 少し考え方を変えて、「もっと性格が悪い感じを試そう」と思い立ったのが2ヶ月前。
 唐突ですが、Ultimate Gamer Rageという動画シリーズがあります。

www.youtube.com

 ゲームで負けてブチ切れてコントローラやモニタに八つ当たりをする映像を集めたシリーズです。人間は愚か……
 僕もゲーマーなので気持ちは痛いほどわかります。ですがここまで怒っていると「ゲームなのになんでそこまで」という恐怖と一緒に、どこか下卑た笑みが湧いてくるものです。たちの悪い人間観察を楽しんでいたとき、前述した「攻撃性」となにかが繋がった気がしました。悪意や八つ当たりは、自分の顔面やふがいなさではなくモニタの向こうの相手に叩きつけるものなんじゃないかと思ったのです。

www.nicovideo.jp

 例えばこの動画、ここまでするほどこっぴどい負け方をしたようには見えません。動画のキャプションには「発売して間もない頃だったので猛者が低PPにも溢れていました」とあります。
であれば負け方にそぐわない怒り方をしてる理由として、「どうして俺がこんなランクの低いやつに」という思いがあったのでしょう。やはり気持ちはとてもよくわかりますが、冷静に見てみればこんなに醜いことはありません。いい大人がこんなことで癇癪を起こした子供のように怒――――

 みんなそうなんじゃないか?

 どうして気付かなかったのでしょう。
 過去、僕に屈伸煽りをかました対戦相手が何人かいました。そんなとき、対戦相手は決まって動きを変え、よくわからない攻め方で圧倒してきます。僕があまりに弱いから、少しからかってやろうとしているんだと思っていました。けれど本当にそうだったのでしょうか。よくよく思い返してみれば、僕が小さな逆転を達成したこともあったのではないか。
 格下だと思っていた相手に想定外のしっぺ返しを喰らってそのまま流れを持っていかれる。「どうして俺がこんなやつに」と、彼は思ったのではないか。プライドを傷付けられて、みっともなく怒って、なんとか僕に嫌な思いをさせてやろうとやけになっていたのではないか。

 人はおれのように醜い。おれがそうであるように、人は他人に対して誠実ではない。おれがそうであるように、人はしょうもないことで悪意を滲ませるのです。

 こちらから主張をすることによって能動的に主導権を奪うというコミュニケーションの方法を、このときようやく発見したんだと思います。
 それからは段々と、相手の考えることがわかるようになりました。そして同時に、対戦相手の醜さを信じることで自分が取る選択肢も絞りやすくなりました。
 それまでの僕は対戦相手が取り得るいろんな選択肢を考慮して、安定したもの、悔しい思いをしなくて済むものを選んでいました。でも考えてみればそれはほとんど必要のないことでした。
 相手が見えない中段があるなら一生それをやり続ければいい。おまえこれに対応できないんだろって、おちょくっているのがわかるような不遜な動きを見せつけてやればいい。そうしたらおまえ、おれの鼻っ柱をへし折りたくてリバサで無敵技撃つんだろ!
 強かな相手なら、僕のそんな考えを読んでリバサ投げを選択するかもしれませんが、それは結果として、ごく自然な形で読み合いになるのです。
 やろうとしてやるというより、結果として勝手にそうなるのが”プレイヤーとの対話”なんじゃないかというのが、言語化が難しいのですが、感覚としてなんとなく自分の中で馴染みました。

 それを方針として落とし込めたとき、トレモだけしてずっと放置していたUNIを再開しました。Twitterのフォロワーが対戦に付き合ってくれたこともあり、今まで蓄えてきた知識を新しい価値観でなじませていく作業は順調に進みました。

おれは人間になった

 それから2ヶ月でこうなりました。

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まるでにんげんさんみたいだぁ…

 今までの停滞からは考えられないほどの進歩です。普通に努力をして、普通に少しだけ上達をする。まるで普通の人間のような成果が得られたのです。自分が納得できるだけの素養をついに得たのです。
 コミュニケーションのための攻撃性を身につけた今なら、どうだ見たか、と思えます。おれは自分が楽しみたいもののために最初の瞬間から今このときまで楽しいままに努力を重ねて、ついにその努力を実にできるところまでやってきた。今まで散々、才能は関係ない、努力すれば上手くなるなんて、おれのような努力の素養すら持たないドベを最初から居ないもの扱いするような都合のいい言葉を並べて、面白そうにしやがって! おれはおれの納得のために、おれの力で地の底から這い上がり、今おまえらの足首を掴んでやったぞ! ウオオオウオウオ(ドラミング)

 それっぽく喜んでみたものの。それは結局、一緒に遊んでくれたフォロワーと同程度の上達具合で。普通に遊んだ人が普通に上手くなるスピードでしかないんだけど、それだけのことを手に入れるために今までの時間が必要だったんだと納得できます。

 もしどこかでまた「○○は才能」論を見かけて、その正体が大げさに表現された素養やらいうものでしかないのなら、僕は「そうだね」と答えます。
 では、そもそもその素養を持たない、本当に本当に根っから向いていない人間が努力で最低限度のそれを得ることは可能なのでしょうか。格好をつけて、あえて言ってしまおうと思います。おれが証明した!
 だからもし、(なかなか居ないとは思いますが)僕と同じくらい対戦ゲームができない、対戦相手に過剰な誠実さを期待しすぎる、そんな人が居るなら、画面の向こうのそいつをちょうどいい具合に嫌いになってあげてみてください。
 ドライに割り切って、顔も知らないやつをボコボコにしてざまあみさらせとほくそ笑むくらいの強かさが、ひょっとしたら対戦ゲームの「才能」なのかもしれません。

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 おまえの飛びに対空攻撃を放つおれは、その瞬間のおれは、誰憚らず人間であるのだ。

いまだからいまさらDiablo2をやる 導入メモ

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忘れた頃に突然Diablo4の発売が決まったもんだからびっくりしました。

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2420円で買えるんだ今…

びっくりして手が滑りました。

Diabloというシリーズに憧れながらも実際にプレイしたのは3からで、結局それでそこそこ満足だったので2には今まで触れてこなかったんですよね。 3買ったの5年前かぁ……

20年近く前のタイトルとはいえ"あの"Diablo2。よもや今遊べないことはないだろうと思い何も調べずに買ってしまったんですが、2019年11月現在わりかしめんどうくさいことになっていたので導入方法をメモとして残しておきます。

目的:Windows10でDiablo2をビルドリセットが可能なMOD導入状態で快適に動作させる
必要なもの:Diablo2及びDiablo2LoD1.13インストーラ、D2SE、D2MR

僕はハクスラもスキルビルドも大好きなんですが今どきスキルリセットの類が自由に行えないのは少々つらいので、今回は最初から振り直し許可系のMODを導入します。
倉庫拡張、UI改善、ネットワーク接続状態限定のイベントをオフライン環境下で発生させる……といった機能を有する「PlugY」なるMODが現在ではシングルプレイにおけるデファクトスタンダードと化しているらしく、当然のようにスキルリセット機能も搭載されているのでこれを使います。
PlugYは同じく有名なMODマネージャであるD2SEに内包されているようなので、後々の利便性も考慮してマネージャごと導入。

本体に外部ソフトぶちこんではいおしまい!なら楽だったんですが、このMOD群がDiablo2本体の最新Verに対応しておらず本体のダウングレードが必要でした。
軽く調べてD2SEが対応しているver1.13cへのダウングレードを試してみるもエラー。ファイルの整合性が取れていない雰囲気です。大型MODのフォーラムを漁ったところ、どうも64bitOSに対応するための1.14アップデートの際に仕様が変更され、現在公式から入手できるインストーラではダウングレードが行えないよう対策されているとのこと。(https://forum.median-xl.com/viewtopic.php?t=1181)
仕方がないので非公式サイトから過去Verのインストーラを引っ張ってくることになりました。前時代的インターネットの匂いがしてきたので場所は伏せますがこれは案外あっさりと見つけられます。
Blizzard公式から購入したシリアルキーを使ってBlizzardを通さずに本体と拡張パックをインストールするという抜け道を使ったのち、1.13cのオフィシャルパッチをやはり外部サイト(PlugYの公式配布ページにて当然のように配布されています)から入手し適用。これでようやく各サイトで解説されているMOD導入の手順が正常に通るようになります。

MODを適用させる場合、基本的にはマネージャのD2SEを通して本体を起動します。本家が対応していないwindowedモードも常備。ありがたいことです。Win10環境下ではD2SEからDiablo2の実行ファイルをうまく呼び出せないのでWinXP~7の互換モードで実行する必要があるため注意。
本体を強引にダウングレードして外部ソフトを噛ませて起動するため当然公式鯖であるBattle.netに繋ぐべきではありません。幸いPlugY側に誤操作による公式鯖接続を防ぐ機能が実装されていたため、1.13c用フォルダに格納されているPlugY.iniにDisableBattleNet=1を追記します。ini編集で設定いじるのって最近のゲームではあんまり見なくなりましたね……
PlugYは設定にかなり融通が利くようで、日本語で各項目を解説してくれているサイトも見つかったためこの時点で最低限の設定を済ませておきます。(個人ブログのようで直リンがためらわれるため各自「PlugYの設定方法」辺りで検索してください)

その他描画関係などを適当に弄って(VooDooとか流石に知らないので最適化を無視してDirectDrawにしました。3dfxってどこのメーカーなの……知らない……)ようやく起動にありつけます。いやー長かった。苦労したぶん存分に遊

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ちっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっさ

640x480って今見るとこんなにも小さい。RPGツクール2kのゲームとか遊んでた頃はこの解像度でもモニタをけっこう埋めていたはずなのに……
いくらなんでも厳しいので解像度をいじるMODも探す必要がありますが、D2SEとPlugYの両方と相性のいいものを探す必要があります。
Definitive archive of resources and mods you can use to play Diablo 2 LoD in modern day and age(今Diablo2LoDをプレイするために使えるリソースとMOD群の決定的アーカイブ)」というページにPlugYとの併用がテストされている解像度変更MOD「D2MR」がありました。素晴らしい。完璧だ……
クラシックゲーマーの必需品であるBorderless gamingもD2SE、Diablo2とは相性がいいみたいです。タイトルによってはあまり機能してくれないんだけども。

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無理矢理引き伸ばされた下部バーに「デフォルトUIのまま高解像度化したOLD DOOM」的趣があります

ただ、あまり表示領域を広くしたりワイド化してしまうとゲーム性に変化が出そうなので考えどころではあります。
1024x768あるいは1280x720辺りまで広げたらBorderless gamingで表示自体を拡大するくらいがちょうどいいのかもしれません。
なんにせよ快適な環境は整えることができたので他のゲームの隙間にでも遊ぶ予定です。このゲームの隙間に他のゲーム遊ぶハメになりそうですが

トリップゲーミング - なにもかもイヤになったらTerrariaで穴を掘れ

 人生に疲れていた。

 別に落ち込んでいるわけではなかった。ここ数ヶ月ほど頭を悩ませていた問題にようやく解決の色が見え始め、本来なら胸をなで降ろして遊び呆けているところだが、うっかり娯楽の受け止め方を忘れてしまったのか何をしても楽しくなかった。
 本を読む気にならない。勉強もする気にならない。オタクが時間潰しに困るような時代ではとうにないのに、動画配信サービスでちょっと見たいものを探すのも億劫だし、ゲームは起動して10分で飽きていた。こういう精神状態の時にも黙々と暇を潰せるハクスラ系のタイトルは各種揃えていたが、今は何をするにもめんどうくささが勝る。何も考えたくない。遅れてきた5月病みたいなものだった。人生に疲れていた。
 夜遅くに仕事から帰り、夕食を摂って身支度をして寝るまでの、ただすぐに横になると吐きそうになるからというだけの理由で起きている意味のない1時間、何も考えずにぼんやりネットをしていたとき、「Terraria」という名前が目に入った。

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 8年前、リリースから1週間くらいの時期に数時間だけ遊んで以来積んでいた、steamで初めて購入したゲームだった。何もせずに過ごすよりはいいかなと思った。

 端的に言って、Tarrariaは不親切なゲームだ。リリースからしばらくのMinecraftがそうであったように、チュートリアルもなく世界に放り出されて完全な手探りでプレイを進める。夜が来るまでに家屋などの退避先を構築しなければ死ぬし、家が家足る条件――1.一定以上かつ一定以下の空間を囲い、2.自然の土ではない壁を敷き、3.空間内に一定以上の明るさの光源を確保し、4.家具を最低1つ以上設置する――すら、ろくに説明されない。クラフティングにしろ探検にしろ、基本的に説明不足で導線が薄いため小一時間もすれば次に何をするか……というより何ができるのかわからなくなってくる。当時はともかく今は有志によるwikiが充実しているが、もはやそれを前提としたゲームであると言ってしまうのは過言だろうか。情報が充実しているwikiは繋がりにくく、そうした側面でもビギナーには厳しい。
 ゆえに、Terrariaというゲームの定石を知らないままにまずしたことは穴を掘ることだった。ゲーム内のなにがしかからそう判断したのではない。『Minecraftでは確かそんな感じだったから』というのが理由である。適当に木を切って掘っ立て小屋を作って、なんだかわからないがついてきたガイドNPCにスライムを狩ってもらって素材を奪い、松明を確保したら、あとはひたすらに掘った。

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 Terrariaの新鮮な刺激はそこで一度終わった。このゲームはほとんどがこの時間だ。掘るだけなのだ。何もない、黒で塗りつぶされた空間をひたすらに掘り進めるだけ。操作は格別難しいものではなかったので、5分もすればほぼ無意識に掘り続けられるようになった。何も考えずにぼんやりPCを弄っているのと何も変わらなかった。8年前と違ってそこでプレイをやめなかったのは、何も考えないことを是とできる精神状態だったからというのもあったと思う。
 そこから更に10分ほど掘っただろうか。黒に塗りつぶされた画面の端に、目を凝らさなければそれとわからないほど微かな青い光があった。そこを目指して掘った。自動生成された、初めて出会う自然の空洞。果たして辿り着いた先はいっぱいの水に1匹のクラゲが泳ぐ、なんでもない穴ぐらだった。考えてもみてほしい。退屈だが何も考えたくない、そんな状態でタングステンよりも重い腰を上げてゲームをプレイしていたというに、15分前後にも渡って先の見えない単調な穴掘りをさせられて、成果がたったそれだけというのである。

 たったそれだけのことで、おれは狂った。

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 掘った。次の発見を求めた。穴を掘って、空洞に松明を貼り付けて、穴を掘って、土の代わりにモンスターにピッケルを突き立て、穴を掘る。別にそれが格別楽しいとは思わない。しかし不思議と手は止まらなかった。いつの間にか日付は変わっていて、キーボードとマウス、それからいつになくやかましい時計の秒針と扇風機の駆動音が頭の中を塗りつぶした。明日の仕事がどうとかは気にならなかった。どうせ朝早くに出勤するわけでもないのだ……そんなことをちらりとだけ考えて、真っ黒な画面の端に再び現れた淡い光源によってすぐに忘れた。
 自分が塗り固められた壁の中に埋まっているような錯覚を覚えた。マウスを打つ指先ひとつの感覚がやけにくすぐったい。急に扇風機の風が耐え難いほど鬱陶しくなって、スイッチを止めた。じっとりとした熱気が停滞して、秒針の音はもっと大きくなった。世界が完全になったような気がした。脳漿は甘い蜜になって、熱っぽい脳みそを浸していた。

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 Terrariaは不親切なゲームだ。地下世界の探検において初心者が体験する最初のブレイクスルーは採掘用の足場構築やロープによる退路確保を全て不要とするGrappling Hookの登場だが、これの作成には鉄鉱石から生成したChainと敵モンスターからのドロップ限定品であるHookが必要になる。ドロップ率はその時点で遭遇する2種ほどから、約4%だ。これが数値以上に落ちにくい。上位モデルとして同種の宝石15個から作成するものがあるが、エントリーモデルとも言える鉄フックの材料が揃うよりも各宝石が15個揃うほうが早いのだから――結局は運の善し悪しでしかないが――なにかおかしい。
 かてて加えて、序盤は戦闘の難度も比較的高い。初期装備の剣はリーチ・範囲ともに頼りなく、少し潜れば敵の数も爆発的に増えるうえ上方から飛来するbatと地上のslimeやskeletonを同時に対処せねばならず、ノックバックもさほど大きくないため回避・退避も求められる。装備にリソースを振れない序盤で地下戦闘を行うには急造の砦に引きこもったり足場を作ったりと、有利な陣地構築のうえで挑むのが常道となる。が、その建築と光源確保、攻撃は全て手持ちスロットの切り替えをしながら左クリックひとつで行わなければならない。こんな状態で防具も紙くず同然となればその緊張感と死亡率はなかなかのものになる。
 掘る。死ぬ。掘る、掘る、死ぬ。
 掘る、掘る、掘る、生き残る。掘る、掘る、死ぬ。
 死ぬ、死ぬ、死ぬ。掘る、掘る。掘る……
 繰り返される行為の意味や価値について考える必要は無いように思われた。それはどこか呼吸に似ていた。

 椅子の肘置きに押し付けていた肉と関節がピリピリと痛み始めたとき、ようやく手が止まった。疲れていたが、不快ではなかった。トイレで用を足してベッドに倒れ込むと、すぐに眠った。
 そんなことを、ここ数日繰り返した。

 今朝になって頭の中がなんだか明瞭になったように思えて、あれもやりたい、これもやりたいと前向きな欲求が湧いてくることに気が付いた。癖のように起動したTerrariaのマップを何の気なしに開く。

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 なんだこれは。あんなに面倒くさがっていたのに、よくもまあ数日でこれだけやったものだ。いったいどういう精神状態でこれだけの時間を無駄にできたというのだろう。ピクルスになった脳みそではもうわからなかった。
 ただ、なんだかこの数日が必要であったように思う。きっとまた掘るだろう。心を癒やすためのゲームそのものに価値を見出だせなくなったとき、おれはクエスト報酬でもレアな装備でもなく、きっとまた大したものも出てこないこの穴を掘り続けるのである。
 さあ、元気になったし出掛けるか。

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 やっぱりちょっと掘ってから行くか。

対戦ゲームに向き合った数年間の話を聞いてくれ - 「○○は才能」に対する現状の答え

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【2020/01/30 追記】
あれから一年経ちました。

対戦ゲームに向き合った話を聞いてくれリターンズ - 「格ゲーは才能」かもしれないが少なくとも凡人にはなれる

「好きこそものの上手なれ」という言葉がある。「努力は裏切らない」なんてアツい格言もよく聞く。一方で、「下手の横好き」とも言う。「好き」は必ずしも「得意」に繋がらないというのはある程度一般的な認識であると思う。
 今から、とても長ったらしくて、うじうじと女々しくて、卑屈でみっともない話をしたい。これは私が格闘ゲームFPS、イラストだとかの娯楽・趣味全般、長じて「人間」というものに向き合った経緯と、10年以上悩んでなんとか形にしたひとつの持論だ。

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Just Cause3がめちゃくちゃおもしろかったよという話と、やりがいのない不自由ってそんなにいいものですかというお話

f:id:ATR-log:20180826171848j:plain 突然オープンワールドでめちゃくちゃに暴れてみたい気分になったので、Twitterで「PS4でいっちばんめちゃくちゃで気持ちいいオープンワールドゲーってなに?」と聞いてみたところ「Just Cause3」をおすすめしてもらえたのであまり悩まずに即購入しました。
僕は高層ビルを垂直に駆け上がり破壊を撒き散らすジェームズ・ヘラーにオープンワールドの常識を破壊された人間なのでこの手のゲーム求める水準が妙に高くなってしまっていたのだけど、ジャスコ3はそのハードルを越えてしまいました。
なにせ、

ゲーム開始数十分でこれを体験させてくれるゲームなんですよ。最近のゲームってすげえや。
そしてこの破壊を撒き散らしに行くための移動にストレスがない。
車通りの多い道に出て誰かから車を奪わなくたって、近場の空港や軍事基地を探して飛行機やヘリを盗まなくたって、ちょっとした距離ならグラップリングフックで加速し、パラシュートで空へ舞い上がり、なんだったらムササビスーツで飛んでいけばいいんです。

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▲パラシュートとウィングスーツ、さらにスリングショットでの再加速を組み合わせれば半永久的に飛べるし、DLCの特殊装備なら推進力を得て好き放題に空を駆け回れる。

ジャスコ3はとにかくめちゃくちゃなゲームで、なんでも壊せるしなんでも爆発するし、どんなものにも飛びついて登れて、どんな高所から飛び降りてもノーダメージで着地できます。 飛行機からロケットランチャーをぶっ放し、フックで忍者のように崖を登り、主人公の生まれ故郷であるメディチで圧政を強いる将軍ディラベロの兵どもを吹き飛ばし、バベリウム爆弾で橋をぶっ壊したあと、反乱軍を率いて戦いを始めるために古くからの友人であるマリオ・フリーゴの元へ向かう主人公、リコ・ロドリゲスが目にするのは青い海と海岸線の街。

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ああいい景色だ。落ち着いたらあそこに遊びに行こう。マリオと話して車に乗り込み、反乱を始めたリコの最初の仕事は行きがけに遠くから眺めたあの街を解放すること。これでこのゲームを好きにならないわけがないのです。

種類こそ若干控えめなもののビークル武装の種類もそこそこあるし、リコ単体では火力不足になるゲーム後半における戦闘はフックによる立ち回りと奪った戦車や戦闘ヘリが活躍するバランスも個人的にはかなり好きな部類でした。 硬いアーマーを纏った兵はフックで手近な天井に吊り下げて蜂の巣にしてもいいし、崖下にふっ飛ばしても壁に叩きつけてやってもいい。
エンジンを吹かして追ってくる車両や機銃を撃ってくるヘリはどっかその辺のなにかと連結してやれば勝手に転んでおしまい。このゲームは何がやってこようと大体フックで片がつき、それでどうにもならないならロケットランチャーで吹き飛ばすか設置式爆弾で吹き飛ばすかの好きな方を選べる。

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朝は訪れた先の景色に目を奪われ、

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昼は軍事基地にキノコ雲を昇らせ、

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夜はドライブがしたいからと崖の上からお気に入りの車を運び込む。

メディチでの生活は「こうしてやりてえな」を強引に実現することの繰り返しで、破壊の快感と移動の快適性がそれを止めさせない。
破壊と混沌のジャスコ3、おすすめです。
「お前が今まで手間かけてやってきたやつ、実はこれで簡単にできるぜ」を叩きつけられない限りは。

これ最初からできてもよくない?の話

ここからは別に読まなくてもいい話です。
ジャスコ3は「ギアMOD」と呼ばれるシステムで装備やビークル、ガジェットに様々な機能を追加でき、このMOD群はマップに点在するスキルチャレンジで高い評価を得ることで解禁されていきます。
それは例えばムササビスーツからパラシュートを経由しなくても着地できる機能だとか、フックでより重いものを引き摺れる機能だとか、そのチャレンジを最高評価でクリアするのに必須のビークル加速機能だとか。

このゲームはここだけが厄介で、チャレンジで解禁される要素をチャレンジクリアのために要求してくるうえ、指定された条件に律儀に従っていると妙に難しくなるものが混ざり込んでいます。 どこからなにをしても自由なオープンワールドゲームであるがゆえに本編から外れたチャレンジ要素には導線がなく、メインミッションを進める傍らで訪れた近辺のチャレンジを遊んでいくだけでも、歪なアンロック方式に良くない印象を抱いてしまう。

例えば「船舶マニアI」というディストラクション・チャレンジがあります。メインミッションで通るルートからも近く、大きな目立つ基地にあるので多くのプレイヤーが序盤に訪れることになります。
基地の中に船が配置してあり、船に付いている機銃で基地内の主要なオブジェクトを連続で破壊していくことでハイスコアを狙うチャレンジなのですが、この機銃がかなり頼りなく、射程と角度の都合で初期位置からでは一部のオブジェクトにしか弾が届きません。
そのため逐一船を移動、あるいは乗り換えては機銃に戻って撃って……を繰り返すことになるのですが、このゲームの船の挙動はなかなかリアルで、しっかりブレーキをかけて止めてもすぐにゆらゆら動いたり向きが変わったりしてしまいます。
これも考慮して時間内に機銃で最高評価相当のスコアを稼ごうとするとけっこう本格的な詰め方が必要で、他のチャレンジと比較してもなかなかの高難易度になります。
しかしこのチャレンジには簡単な攻略法があります。他所の基地を制圧して違う船をアンロックすることです。
機銃が砲台になっている船があります。この砲台は360°回転し、射程も長く、爆発範囲が広いので初期位置から最高評価の取得が可能です。デフォルトで指定されている船のようにどこどこの方角から始めて、何を破壊したらどこに移動して、船を完全に静止させるために何kmのスピードでどこでブレーキをかけて…なんて考えなくてよかったのです。砲台用意して、ぽんぽんぽん。おしまいです。
いやいや、後半にアンロックされる船で楽になるというのは当たり前の話で、ただのズルでしょう。
そんな人のためにもうひとつおすすめの攻略法があります。グラップリングフックを活用することです。
このチャレンジは「オブジェクトの破壊が始まった瞬間」からスタートするので、効率的な破壊を実現するための「準備」が可能です。
この仕様を活用し、機銃では破壊できない角度のオブジェクトに予めフックを仕込んでおいて、機銃に取り付いてからワイヤーの引力により遠くのオブジェクトを先に破壊してしまうのです。
連続で破壊することでスコアには倍率がかかりますから、ボーナスの「着火剤」としてこれを活用すると最終スコアはぐんと上がるわけですね。
さて、しかしながらこのフック、この時点で取り付けられるのは大抵2つまでです。これでは稼げるスコアも雀の涙。「この時点で」「大抵」と言ったのは、このフック制限が後々のアンロックにより6つにまで緩和されるからです。
……どうせアンロックされるまで放っておけば楽になるんだから真面目に取り組みたくないって? では初期状態のリコでもできる一番簡単な攻略法を教えましょう。言うことを聞かないことです。
この基地は水門の上に対空砲が設置してあります。そいつを…

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監視塔に運び込みます。これで砲台付きの船を使用するのとほぼ同じ条件でチャレンジに挑めます。……船舶、使えよ!
ただ難点として、この対空砲けっこう重いんです。足がしっかりしていますからちょっとした段差を登るにもフックを使ってずるずるずるずる……
水門から監視塔までのルート取りや高所への運搬も合わせると、道中トラックで牽引してもそこそこに時間がかかります。まあ、ワイヤーの牽引力も後々アンロックで強化されるんですけど。

このチャレンジに関わらず、例えば初めてのエアレースチャレンジで最高評価を取るためには一度平均的なスコアである☆3評価を取ってレースを抜けてから加速機能をアンロックし、同じチャレンジに入り直してからMODで加速するだとか、
例えばグラップリングフックとグレネードのみでオブジェクトを破壊するチャレンジをクリアしてギアを集めないとフックの制限が緩和されないので 外からの砲台の持ち込みがほぼ前提だとか、ジャスコ3のチャレンジ要素はこういうのが散見されます。
対空砲の持ち込みはまあいいんです。柔軟な発想をしているやつがいい思いをするわけですから。でも「使えないヤツをデフォルトに設定してるから楽をしたかったら性能いいやつを持ってこい」が個人的には完全にダメです。チャレンジがチャレンジでなくなってしまうから。
このゲーム、アンロックさえしていれば基本的に何使ってもいいんです。だからレーシングカーを持ち込んだらカーレースチャレンジの9割は適当に流すだけの作業になるし、エアレースもボートレースも適当に速いやつに乗ってアクセルベタ踏みでぼけーーーーっと眺めてたら終わります。虚無になってしまうんです。
じゃあズルなんかせずに真面目に取り組めばいいだろって? でもこれに真面目に取り組んだご褒美って、ズルのアンロックなんですよ。比べて、ズルをする余地がほぼないウィングスーツチャレンジと爆弾車のチャレンジのどれほど楽しいことか。
さっきからズル、ズル、と言っていますが、これらの機能はアンロックされれば普段から最大限活用していくことになるものがほとんどです。
折につけ考えてしまいます。これ最初からできてもよくない?
最たる例が「ムササビスーツでの滑空状態からパラシュートを開かずに着地する」機能なんですが、これについてはDLCの特殊装備を貰うことでチャレンジをやらずとも実現できます。こいつはL2トリガーで減速してそのまま着地する機能を持っているからです。これ最初からできてもよくない?

ちょっと横道に逸れて、違うゲームの話をさせてください。Devil May Cryというアクションゲームの名作シリーズがあります。
悪魔(あるいは魔人)の力を持った主人公が多彩なアクションでスタイリッシュに敵をなぎ倒していく爽快でストイックなタイトルなのですが、このゲームも攻略に役立つほとんどの技能はアンロック式になっています。
中でも慣れたプレイヤーが真っ先にアンロックするのは、「エアハイク」や「スティンガー」といったスキルです。前者が2段ジャンプ、後者が素早い前進攻撃技ですね。彼らがこの2つを優先して買うのは、戦闘が楽になるからでも、クリア評価を上げるのに役立つからでもなく、この2つが「このゲームを遊ぶ上で最低限必要な動きをするのに必要だから」です。
まず、エアハイクがないと登るのが面倒な足場があります。スティンガーは連発することで走るよりも移動が早くなることに加え「スティンガージャンプ」というゲーム内では説明されない隠し機能があり、崖に向かってスティンガーを発動すると横方向に強力な慣性をかけて遠くにジャンプすることができます。この2つはステージ内に隠された要素の収集に役立ち、作品によっては「そこに辿り着いた時点でそのスキルを持っていないならその時点での隠しアイテム取得が不可能」になってしまいます。後期の作品であればのちのちステージに入り直せば済みますが、初代作品であるDMC1だとミッションのリプレイができず、2周目まで回収を待たなければいけない場合もあります。
だからみんな移動系のスキルを優先して取るんです。だって楽だから。取り逃しを後回しにされてモヤモヤしなくても済むから。
ただでさえスキルのアンロックに必要な「レッドオーブ」というアイテムは使い道が多く、コンボのバリエーションを増やすためにも大量に消費します。
このゲームは違う種類の攻撃を矢継ぎ早に使用しなければランクが上がらないので、攻撃の選択肢は多いほうがランクを上げやすく、要するに何も持っていない序盤が一番面倒くさくて難しいのです。ビギナーに段階的に操作を覚えてもらうための試みだとかプレイのモチベーションの維持のためだとか、いくつか事情は思いつきます。でも終わってから振り返れば、それらはなんだかやるせない、「やりがいのない不自由」でしかありませんでした。
だからDMC3辺りから、いつも思うようになりました。じゃあそれ、最初からできてもよくない?
モヤモヤしながら、これ以上モヤモヤしないように、機械的にレッドオーブを稼ぐ時間に目を向けざるを得なくなってしまったのです。

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このシリーズは熱烈なファンが多く、別ハードに移植される度に買ってクリアするマニアが多く見られます。僕もそのひとりです。
現在のシリーズ最新作である「4SE」では、スキルのアンロックに必要なレッドオーブがついにDLCとして現金でも買えるようになりました。
そういった話題にはちょっぴりデリケートなビデオゲーム界隈ですが、これについてはみなさん意外と好意的に受け止めて買っていたと記憶しています。
だってアンロックをやり直すのはめんどうくさくて、僕らにはもう退屈で不自由な時間でしかないから。

話をジャスコ3に戻します。これも同じだと思うんです。アンロックで解禁される要素が「それ最初からできてもよくない?」だったとき、どうしてもやるせなさが付きまといます。
初見プレイ特有の試行錯誤は楽しいかもしれません。でもあとになって「これがあれば楽だったのにね」を何度も何度も叩きつけられると次第に感動は薄れていきます。
極端な話、みなさん昔遊んだクッキークリッカーのデータリセットしてみてください。オートクリック系が解禁されるまでの時間、面白いですか? 僕はちょっと無理です。
「これからの遊びが楽しくなるアイテムをやるぞ」を、今やっているのが面倒なことだと知った上で散々面倒な思いをしたあとに見せられても、ゲーム体験の鮮度はとうに失われているのです。
じゃあアンロックを待って楽になるのを待つのが正解なのかというと、楽になるまでの過程には「取り逃しがある」というモヤモヤがついて回ります。
今真面目にやることがバカバカしいとわかっていても、恨みがましく、何を取り逃したか忘れてしまわないように記憶に刻みつけて、牛の顔にキスをするリコ・ロドリゲスのように、チャレンジエリアを後にすることになるのです。

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そんなモヤモヤを味わいながらチャレンジ埋めに苦しんでいるうちに、ロードTipsにある一文を発見しました。

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そう、要するに、僕はジャスコ3のチャレンジを勝手に「スキルチャレンジ」と解釈していたけれど、ジャスコ3は別にプレイヤーのスキルなど全く問うていなかったのです。チャレンジを発見する度に律儀に最高評価を目指して最大効率でギアをぶんどっていく酔狂で神経質なプレイヤーを前提には作っていなかったのです。
今やるのが面倒なら大人しく出て行けと。もっと強くなっているのを想定しているんだから無茶をするなと。これだけでも気持ちが随分楽になります。
適当で良かったのです。今できることだけを雑に流して、高評価によってもっともっとギアが欲しくなったらまた来ればいいんだよとシステムが教えてくれた瞬間であり、同時に多くのチャレンジがアンロックによって楽々クリアしてさらなるアンロックを狙うだけの水増しなのだと確信してしまった瞬間でした。
じゃああとにしようと、進めたかったミッションを遊んで気が向いたらこのチャレンジを埋めに来ようと、モヤモヤから目を逸らしながらメイン攻略に戻りました。

チャレンジを埋めに帰ってくることは、二度とありませんでした。

ゲームはもっとゆるく遊ぼう

結局のところ、ジャスコ3のテーマはどこまでも「破壊」でした。
それは理不尽な火力を叩きつけるど迫力の戦闘における「破壊」であり、アンロックによって強化される機能でこれまで困難であった諸々をいともたやすく跳ね除けるゲーム体験としての「破壊」でもあったのだと考えることにしました。
ジャスコ3には正しい遊び方が用意されていて、それはもっともっとゆるく遊ぶスタイルだったのだと思います。
それでもやっぱり最初からできていいことは最初からできて欲しかったと思ってしまうのは、最初からできていいことが最初からできる面白いゲームをもう知っているからというのもあるのかもしれない。
そんな不満をプレイ中にTwitterでつい漏らしたところ、大変ありがたいことにこのゲームを勧めてくれた方がsteam版のkeyまで譲ってくれました。
ギアMODのみを全解禁した状態でシナリオを最初から始められるなんとも都合の良いセーブデータが導入できるようです。
ならもう、メディチにはいつでも帰ってこられる。
「できることが最初からできるJust Cause3」もきっと楽しいだろうから、今度はもっともっとゆるく遊ぼう。モヤモヤでゲーム体験が腐ってしまう前に、おいしいところにだけかじりついていたい。

だからこれから遊ぶ人には、ジャスコ3はゆるく遊ぶことをおすすめしたい。
steam版でセーブデータをぶち込むなり、即DLC1の最初のミッションだけ触って改良ウィングスーツを取得するなり、シーケンスだのコンプリートだのは気にせずに、ただ気の向くままを徹底してメディチでの反乱活動を楽しんでいただきたい。
自分のプレイスタイルに合わない導線が用意されていても、無理やりゲームクリアまで遊んだ挙げ句にこんな稚拙な文章を長々と書いてしまうくらいにこのゲームは豪快で楽しいからです。ジャスコ3はいいぞ!

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ビバ、メディチ

体調もゲームみたいにステータスで管理したい

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ディスガイア5やってるんですよ最近。
RPGで黙々と勇者のレベル上げてステータス画面で数字の伸びを確認してはニヤニヤする酔狂な遊びの極地みたいなゲームなんですけど、プレイヤーが付き合うのは上のステータス画面の通り暴力的なまでの数字数字数字。まだ40時間くらいしか遊んでなくて値は小さいんですけど、最終的には数億のダメージ叩き出すようになります。なるらしいです。シリーズ作品1、4、5と遊んできて未だそこまで育て上げたことないのでわかりませんが。
ちなみに未プレイだとネトゲの地獄みたいなレベリングを延々繰り返すゲームって印象が強いと思うんですが1周クリアするくらいならわりと普通にちまちましたSRPGですよ。

それでですね、こうして数字の海に溺れながらキャラクター育ててるとちょっと羨ましくなってくるんですよ。だってこいつら数字とバフデバフ表示で自分のこと全部分かるんですよ。装備適性とかマスタリーとか一目瞭然。ルーンファクトリー3の主人公なんか歩いてるだけで歩行スキルがレベルアップしてゲームシステムに褒められてたんですよ。ハイハイする赤ちゃんみたいですね。ちくしょう羨ましい…\Lv UP!/にバブみを感じてきた。

自分の体調なんかもデバフ欄で確かめられたら安心できると思うんですよ。ストレスで壊した胃が治ってきたと思ったら風邪でもないのに咳が出て不整脈になって膝が弾けそうなほど痛いのも[悪心] [動機] [関節痛] [咳] [右顔面引き攣り]とかで参照して「今日はRESが低いな」とか「MOVEにマイナス補正かかってるな」ってその日の朝に確認できたらどんなに楽か!ていうかこれ本当にストレスかな…ある日ポックリ死ぬやつなんじゃねえかって思うんですけどそういう話がしたかったんじゃないんですよ。

行動に対する成果(数字の上昇)、成果に対する賞賛(SEや演出)、成果と賞賛のための行動…ってゲームに限らずいろんなものに対するモチベーションの源だと思うんですよね。それを様々なドラマやスリルで包んだものがビデオゲームで根幹だけ抜き出して美味しいとこばっかり啜るとすごいスピードで飽きるということをクッキークリッカーが証明してしまったのは記憶に新しいですが、成果と賞賛のインフレを味わうために土台を作って小さな快感を得続けるという点で見るとディスガイアもクッキークリッカーにかなり近い性質を持っているのかもしれません。いいゲームなのでおすすめですよ、はらたけさんの絵もかわいいし。

現実もそれくらいわかりやすいフローで生きていきたいなあ。数値の上昇は確認できないし賞賛が快感につながるとは限らないしステータスがすぐ下がっちゃうんですよ。しかもメディックのエスポワールの命中率が低い!ままならないのに自分のことがわからないのは怖いので、ちょっとでも自分のステータスを整えるために仕事したり人とコミュニケーションを取ったり病院行ったりするわけです。でももっと世界のほうが簡単になってほしい。ちょっとした成果を称え合う世の中がいいしちょっとした成功で小気味のいいSEに無機質に祝福されたい。そんなとんちきなこと言ってゲームばっかりしてるから現実のステータスが上がらねえんじゃねえかって思うんですけどそういう話がしたかったんじゃないんですよ。

レベル上げたいなあ…レベルを上げて気楽に生きたい。なんの話かなこれ…

最近のゲーム日記 ゼルダという怪物

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GWの初め頃、Nintendo Switchを買いました。
欲しいのはイカ2くらいだしなーもうちょっと様子見てもなーとか考えていたんですが、時間が経てば経つほどゼルダBotWを絶賛する口コミを目にすることが多くなり、我慢できずに本体ごと購入。
某所でAmazonの予約再開情報を教えてくれた方には感謝してもしきれません。ほんとありがとう…
おかげさまでGW全部持っていかれましたどころかゼルダ漬けの1ヶ月でした。とんでもないゲームを買ってしまった…

あくまで個人的な意見だけど、オープンワールドの弱点は、その広さ故にどうしても生じる薄さだと思う。
十数時間のメインシナリオを終わらせてしまえば、だだっ広い世界でやることはかさ増しのようにも思えるアイテム収集とステータス上げくらいのもので、そのアイテムでさえ隙間を埋めるように脈絡なく置かれている事が多かった。移動にだって手間がかかる。 今まで遊んだ中で最も好き勝手に動けた「PROTOTYPE2」でさえ、そこそこの範囲が特にやることもなく収集物を拾い集めるだけの「空白地帯」だった。

ゼルダはそこを徹底的に潰した。
やることは他所のオープンワールドとほとんど変わらないのに、その過程に詰め込まれた遊び心とロマン、導線の引き方からプレイングの幅へのこだわりが尋常じゃなかった。
レシピ図鑑がなく効果が過剰で中盤辺りで形骸化してしまう料理システムとか強さと報酬がいまいち噛み合わない白銀シリーズとか細かい部分に不満はあるけど、マップを探検して祠や塔を探し、目についた場所をふらっと訪れて冒険を楽しむというメインの道筋には妥協が全く無かった。露骨な「空白地帯」が見当たらないゼルダBotWは病的なまでに丁寧で、手間と作品愛の塊のようなゲームだった。

メインシナリオはクリアしたけどこれ以上時間を吸い取られるのが怖くて、夏のDLCに向けて封印してしまった。コログ集めどうしようかな…。DLCの時期にも色々出ちゃうんだよな……。

今は兄と遊ぶために買ったマリオカート8DXでちょこちょこ走りつつ、ディスガイア5遊んでます。
すっかりPCゲーマーになってしまい近年はゲーム機を買っても10タイトルも遊ばずに埃被せてしまう事が多かったんですが、今年は大忙しになりそうです。